今日仕事から帰ってきたら、父はなかなか元気。
OS-1を飲んだとき
「まだお口に入ってる? ゴックンした?」
と訊ねたら


「うんうん。もういいよ〜」
なんてハッキリ答えてくれてびっくりした。


それから、濃厚プリンを試してみたら
大きく口を開けて四匙食べてくれ
「美味しい?」
と問うと満足そうに
「うん」
と答えてくれた。


ここのところ、口を開けるのが難しい父だが、美味しいモノだとまだまだ口を開けてくれることがわかり嬉しい。



今日のNHKクローズアップ現代」は、延命治療の問題点について報じていた。
「胃ろう」を選択して栄養補給をして体調が安定している場合、それを停止する決断をするのは難しいことである。
家族が望んだとしても、その決断は
「寿命を決める」という行為となってしまうわけだから。



我が家では、訪問診療の先生との最初の話し合いで


胃ろうはしない。
点滴は可能な限りはする。
場合によっては酸素マスクはあり。


と決めている。


出来る限り、一緒に過ごしたい。
しかし、辛いことや不自然なことまではしたくない。
それが母の希望であり、家族の総意だ。



口から食べられなくなり、やがて皮下点滴も身体が受け付けなくなってきたときには


草木が枯れていくように、父も枯れて終わりになる時。
その時には、嫌なことはないよう、辛くないよう、自然にお別れを受け入れたいと思っている。



ただ、まだ今は、父が苦い薬を嫌がっているときでも頑張ってもらっている。


まだまだ、美味しいときには口をパクッと開けてくれるのだから…


あとちょっと、散々苦労をかけた母のために、苦い薬や厭きてきたエンシュアを我慢してもらってもバチはあたるまい(笑)。

絵描きという職業柄か
自由気ままに飄々と過ごしてきた父が、もしかしたら今初めて、家族サービス実行中だ。