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昨日は眠ってばかりで初めて二本皮下点滴を入れた父。
朝お腹をみるとまだ膨らんでいて、吸収できていないのかと不安になる。
午前中も眠ってばかりの父に、母とたくさん、いっぱい話しかけながら
「帰ってきたばかりの頃喋ったりしてくれたのは、お父さんが特別に頑張ってくれてたのかな。天からの贈り物だったのかな。でも、良かったね」と、二人で涙した。
でも今日は、そんな私たちのために頑張ってくれたのか
午後には薄目を開けてニッコリしてくれたし
とろろ蕎麦をミキサーにかけたものを食べてくれたり
家の猫を近づけたら、撫でたりしていた。
昔、猫を可愛がっていたからだろうか、手が覚えていたようだった。
あと、今日びっくりしたこと。
母が父のベッドの横でコーヒーを飲んでいたら、父が羨ましそうな顔をしたから飲ませたいという。
正直、特別コーヒー好きだったわけでもあるまいし、苦いし…
なんて半信半疑だったのだが
父は自ら口を開けて、スプーンからコーヒーを三口飲んだのだ。
父の表情からそこまでわかるなんて、やはり夫婦の歴史には敵わない。
言葉はなくとも通じるものがあるのだろうし
母も全身目にして耳にして、父の気持ちを察しようとしている。
父と母の二人の様子は、なんだか羨ましい。