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今日の父は、朝から寝てばかり。
熱は下がったので表情はやわらいだが、目を開けてはくれないし、返事も聞かれないまま、仕事に行かなくてはならず残念だった。
父がときにニッコリするのが、最近の私の唯一の喜び。
それがみられないときには悲しいけれど、父が特養老人ホームにいたときには、それはあきらめていたようなことなので、今たまにニッコリしてもらえるだけで幸せだ。
母も、そんな父の表情を喜んでいる。
父と母は、お見合いから一ヶ月で結婚。
愛だの恋だの、全くなかったそうだが、今の母は
「お父さん、愛してる!」
などと、初めて口にしている。
今の介護生活は
父と母の、本当のハネムーンだと私はとらえている。
母は今、思いっきり父を思いやっている。
そして、思いっきり、ベタベタとまとわりついて接している。
それに対しての父の感想は残念ながら聞けないが…
まんざらでもない表情を、父はときおり見せるのだ。
父と母の、やっと訪れた蜜月期間。
できるだけのサポートをしたい。