今日の朝も、父はあまり表情が冴えない。
後ろ髪を引かれるような気分で仕事に出かけた。


帰宅して母に訊くと、ニコニコとすることもあったそうでホッとする。


訪問看護の看護士さんがいらしたそうだが
点滴は臨機応変に…とのことらしい。あんまり経口摂取ができないようなら点滴。今は覚醒している時間が少ないので、無理に飲ませての誤嚥を避けるために…。



病院側からの指示も刻々と変わっていくのだが、たった三人の家族内の意思疎通…情報の伝達がうまくいっておらず、今日は仕事に行っていて看護士さんと話していない私はちょっと混乱してしまう場面もあった。


大まかな目標というか、在宅介護に戻した理由というのは母、兄、私の共通認識としてあるにはあるのだが…


実は、つきつめて話し合っているわけではない。
なんとなく…といったカンジで「看とり」にむけてそれに本当に向き合っているかというと、疑問だ。
考えたくないような…

ホームから帰ってきたときの父のびっくりするような状態の上昇に喜び、何か期待してしまう気持ちがわいてしまうのだと思う。


頭では覚悟をしているつもりでも、気持ちの上ではまだまだ受け入れていないからこそ
躍起になって父に飲んでもらおう、食べてもらおうとしているのかも。


しかし
「本人が楽なように…」
というのが

「あきらめる」

にならないように。


無理や無茶はせずとも

我々も、そして父だって頑張らねば。



父を苦しませることはもちろんしない。
でも
「楽に流れる」はしたくない。


精一杯、家族四人で頑張りたい。


今日は久々に料理をした母の手作りのスープを
父が飲んだ。
「美味しい?」と兄が訊いたら頷いたそうだ。


まだまだ、頑張れると思う。