月に一、二度、新宿の「立ち呑み カンちゃん」の前を通る機会がある。


店の前を通る度、ご本人がいらっしゃらないかとキョロキョロするのだが…


今日、とうとうキラー・カン氏発見!

お店の前の歩道のガードレールみたいな柵にお座りになり


なんと眠っていらした!


どうしよう? どうしよう!?


街中でプロレスラーに遭遇したことは、これまでの人生で数回しかない。


横浜中華街で、外国人女性と手をつないで歩いていた蝶野正洋(結婚前だったので、後のマルティナ夫人だと思われる。蝶野だ! と友達と騒いで逃げられた。女子高生にみつかるとは思わなかっただろう。ごめんなさい)。


成城のケンタッキーの前になぜか、立っていた石川敬士。(友達と散々、石川だ!石川だ!と言いながら応援のお声がけもしなかった...女子中学生に騒がれ、さぞかし居心地が悪かったでしょう...ごめんなさい)


そして今年の三月、青くて平べったいアメ車? に乗っていた高山善廣だ。(おばちゃん、ガン見してしまいました! ただの目付きの悪いおばちゃんでした。ごめんなさい)


そのいずれの機会にも、勇気がなくて声はかけられなかった。私はチキンハートなのだ…。

今日も、カンちゃんの店の前で眠るカン氏の横を通り過ぎてしばらく歩いた。


いいのか?
これでいいのか?

本当は一緒に写真を撮ってもらいたいのに、諦めるのか?

「逃げちゃダメだ…逃げちゃダメだ…!」
と、シンジ君状態になりながら、頑張ってお声をかけた!
清水の舞台から飛び降りる…というか
ミズーリ川に身を投げるような気持ちで。




キラー・カン氏、お優しかったです。

「こんな女のヒトが?」
と、ちょっと戸惑っていらしたようですが…。

「子供の頃からみてました!」
とお話しました。


しかし!
そこで話は止めました。



WWFのトップで活躍された日本人レスラーなんて、素晴らしいですね! アンドレの脚を折った男、という触れ込みでしたが、あれは、アクシデントがあったアンドレに対して機転をきかせたカンさんに感謝したアンドレが、カンさんのニードロップで折れたことにしよう! と言ったそうですが、本当ですか? あと、居酒屋カンちゃんにあるという、尾崎豊のボトル、本物なんですか? まだありますか?」



などと言いたいところを抑えました。

他のスポーツやアイドルもそうかもしれないが、プロレスオタは、どうしても
「あなたのことは、これだけ観ている! 知っている!」
とアピールしたくなる生物だ。

しかしそれをすると、感謝は示してもらえるが、これが女である場合、ちょっと…いや、かなりドン引きされる。


知人の後輩だということで、大谷晋二郎と飲みにいったことがあるが

プロレスファンなら誰でも知っていそうな
「大谷豆知識」みたいなものをつい喋ってしまったら

「どんだけ詳しいんですか…」
と、どうも引かれていた。
「お父様、お元気ですか?」と訊ねてしまったのがまずかったらしい。
(大谷の父は、熱い応援で「チチジロー」と呼ばれ知られる方。英語塾をされている)


今日は、キラー・カン氏には、「ちょっと珍しい女のヒト」くらいに思われたかったので、プロレストークをしたいところを我慢した。ドン引きされないように…。


なんて
我ながら自意識過剰で気持ち悪いのだが、プロレスオタは、私も含めて多かれ少なかれ、キモい。

でも、キモいほど濃厚なファンがいなければ、エンターテインメントは成り立たないのでそれで良いのだ。


新宿五丁目の「立ち呑み カンちゃん」、月曜日は7時まではご本人がいらっしゃるそう。
今日はお店に入る時間がなかったけれど、是非飲みに行ってみたい!



※私は、プロレスラーの方々には尊敬をこめて、リングネームを敬称なしで呼ばせて頂いております。ご了承ください。

でも、カンさんと今日お会いしたら、今日はそのまま呼びすてできない気分なので「キラー・カン氏」にしてみました。