今日も眠ってばかりの父。
皮下点滴の液がなかなか落ちていかない。
管を無意識に引っ張ってしまうので、母と交代で付きっきりとなった。


初めて皮下点滴をした二週間近く前は一時間半で終わったのだが、昨日は四時間、今日は結局六時間かかっても終わらず心配になってしまい、在宅診療の先生に電話した。

24時間対応の訪問診療なので、休日の今日でも先生が来てくださり恐縮だ。


最初が一時間半ほどで済んでいたものなだけに、今日は異常事態なのか?
と慌てたが、ゆっくりでも問題ないらしい。



皮下点滴をすると、お腹まわりがぷっくりと膨れる。時間とともにそれは身体に吸収されて膨らみは凹むのだが、その膨らみや浮腫みがとれなくなってきたら、もう身体がそれだけの水分を受け付けられないということらしいのは、ネットや本などでチラリと見たことがあるのだが…。


私もまだ覚悟が出来ていないのか、先生に直接お訊ねはしないし、もちろん先生もなにも仰らない。


「ゆっくりやっていきましょう」と。


今日は初めて、2本点滴を入れて、合計1000ml。


まだ、点滴を受け入れられているだけ有難いことだ。


父のベッドの傍らで、CDをかけて歌ったり、たくさん話しかける母と私。

時々反応したり、父が返事をすれば、それだけではしゃいでいる。


今の「思い出作り」の時間は、結構楽しい。


「お父さん、お父さん」
とあんまり母と私が騒ぐと
「やれやれ、煩いなぁ〜」とでも言いたいような顔をしたすぐあとに


ヘルパーさんからの呼び掛けには
「はい」
と応える父の外ヅラの良さに笑ったり。


正直、心配やがっかりもするけれど、まだ今は嬉しいことのほうが多い。

そんな嬉しい瞬間を覚えておくために、ここに書いておこうと思う。


今日はヘルパーさんにならいながら、初めてオムツ交換をしてみた。これまで見て覚えていたつもりだったのに…
思ったよりもうまくいかない。でも、お通じがついた時だったので、最初にそれができて良かった。


三年ほど前、父がオムツパンツになり毎日交換していたときには、悲しい気分にもなった。日々、出来なくなっていくことが増えるたびにため息もついた。


でも今は「お通じがついて良かった」との嬉しさがあり
「キレイにした!」との満足感でやはりまた嬉しい。

ちょっと父には今頑張ってもらっているが

色々やらせてもらって、自己満足させてもらっている。