天覧競馬
本日、東京競馬場で行われた第146回天皇賞(秋)。
勝ったのはエイシンフラッシュ。
ダービー馬としてその力を見せつけた久々の栄冠となった。
鞍上はミルコ・デムーロ騎手。
天覧競馬の今日のレース、騎手はご臨席された天皇、皇后両陛下に礼をすることは予想されていたが…
まさかの下馬をしての敬礼。
騎士風の膝をついての礼だった。
これは、ルール上では違反となる行為(騎手はレース後に下馬せずに検量に向かわねばならない)ではあるが、
そのルールというのは、負担斤量について不正が行われないためのものであるから、競馬場全体の注目を集めた中でのこの行為は、不正も見当たらないものであるのはわかることで、一応ルール上の「審議」はあったものの、お咎め無しの決着となった。
デムーロ騎手としては、天覧試合で天皇陛下に向かって礼をする…となれば
膝をついての最敬礼…騎士風の礼が当然であったのだろう。
(サマになっていた! 格好よかった!)
前回の天覧競馬の天皇賞でも、松永幹夫騎手(当時)が天皇陛下に向かって礼をしたシーンは印象深かったし、今回も勝った騎手はどんな風に礼をするのか…松永さんみたいに格好よくきまるといいなぁ…と期待して見ていたが
騎士風の膝をついての敬礼とは、全く予想しておらずびっくりしたが
なんだか、ジーンとした光景だった。
世界の国々の中、いまだに王室、皇室が存続している国は多くはない。
外国の、特に王室皇室が無い国々の人は、そういった「ロイヤル」なものへの敬意や有り難さというものに対しては、皇室が当たり前に存在している我々日本人よりも、重く感じているように見受けられる。
私は、オリンピック、パラリンピックでアイスホッケーやスレッジホッケーの天覧試合でアナウンスをした経験があるが
アメリカの選手団が、日本代表の選手たちよりもさらに深いお辞儀で、天皇陛下に敬礼をした姿が印象に残っている。
デムーロ騎手の敬礼の姿には驚いたとともに
他国文化への尊敬、尊重の念を感じ嬉しく思った。
また、天覧試合のそんな様子を誇らしく思うような気持ちになったのは、日本人のDNAなのかしら? なんて思いもした。
オリンピック、パラリンピックの選手も今日のデムーロ騎手も、
「義務として」
の礼ではなく、その礼をすることを「栄誉」としていることが伺えた。
天皇陛下って、偉大。
「エンペラー」って凄いなぁ…と感じた次第である。