NHK音楽コンクール 成城合唱部

昨日行われた
NHK音楽コンクール全国大会小学生の部


成城学園初等学校合唱部が、初の金賞を受賞しました!


成城学園初等学校合唱部、30年の挑戦の上の快挙です。


これは、我が母校。
そして、私は合唱部OG。嬉しい限りです。


成城学園初等学校合唱部のNコン初挑戦は、私が六年生、部長をつとめているときでした。


それ以前の成城の合唱部は、楽しく大きな声を張り上げ、好き勝手に歌うだけで、コンクールなんて我々は考えもせず…おそらく、学校側も考えたことなどなかったと思います。

校風、ということもあり、とにかく自由に元気にのびのびと…という部でした。


そんな部に、突如あらわれたのが、新任の若き音楽教師、西谷先生。


合唱の発声など練習したこともなく、大声で地声で歌っていた我々に、きちんと発声の指導を始められたのでした。


「アマリリス」のメロディーで
「ホホホ、ホホホ、ホホホッホ〜」なんて発声練習するなんて、それまでがなって大声を出していた我々には、カルチャーショックともいうべき変革だったことを覚えています。


さらに、NHK音楽コンクール地区予選への初挑戦。

コンクールなんて、どこかよその国のことかと思うような、知らない世界だったのに…

先生はコンクールへの出場を目標に、これまた我々とは無縁の「朝練」を取り入れたりしていらっしゃいました。


西谷先生が赴任されてからの、付け焼き刃ともいえる練習を経て、初めて臨んだ地区予選。


我々、トップバッターでした。でも、それでよかったんです。
あまりにヘタクソで。


もしも、他校の合唱を耳にしたあとなら、皆心が折れて声も出ないほどズタズタになっていたに違いありません。


それくらい、情けないほど他校との差があり、ヘタクソったらありませんでした。



そんなだった我が合唱部が…


なんと全国優勝を成し遂げるまでに成長するとは!

西谷先生の根気、ご努力です。
もちろん、子ども達も頑張ったのはあるけれど…

自由にのびのび、ある意味結果を求められない校風の中(初等学校では成績表がなかったりする)

コツコツとコンクールに挑戦し続けた西谷先生の熱意…今から思えば、それを始められたのは、新卒の、新人ならではの先生の熱い挑戦だったかと思います。


それが30年の時を経て、実った瞬間…
金賞が確定したときではなく(それも震えるほど感激したけれど)

子ども達のけれん味のない透き通った歌声を聴いたとき…


ああ、よくぞここまで…
と涙が出てきました。



先生が赴任したときの六年生の我々。
ときに反抗しましたよ…。
それまでカッチリ練習したことなんてなく、思いのままに声を張り上げていて楽しかったのに…

朝練なんて、なんだそれ?
発声練習?
つまんない!
メンドクサイ!


でも「練習」というものをおそらく初めてしてみて
そして「目標」というものもおそらく初めて持ってみて。


初めて挑戦した地区予選。あのときのドキドキは忘れられません。

まだまだあまりにヘタクソだったけれど…


あの時に先生が蒔いた種は、しっかりと花を咲かせたんだな…と、誇らしく思いました。



成城学園初等学校合唱部の皆さん、おめでとう!
そして、ありがとう。