アリ死去
アリ死去を知り、猪木対アリのDVDを購入したものの...この日記にも書いたが、なかなか観られず迷っていた。
しかし、テレビ朝日は緊急追悼番組を放送。録画して...結局観ました。
数年前、テレビ朝日開局50周年のときも、猪木対アリについては放送されていた。
それを観た私の当時の日記が↓これ。
テレビ朝日の開局50周年記念番組、「テレビ朝日が伝えた伝説の名勝負」にて、伝説の猪木、アリ戦が33年ぶりに放送されました。
年がバレますが、私は幼稚園の頃、この試合をプロレス好きの祖父とテレビでみました。
「なんで猪木は寝そべってるの??」
と、不思議に思ったものでした。
今日の番組では、その、所謂「猪木アリ状態」にならざるをえなかった舞台裏が、猪木のコメントと共に振り返られていました。
プロレスファンには周知のことですが、この試合は、アリ側の要求により、プロレス技一切を禁じられたルールに縛られた上での闘いでした。
その中での苦肉の策といいますか、試合開始後の猪木の閃きだったそうですが、ルール的に不利な試合で、なんとか攻撃するための戦い方でした。(現在では、不思議ではなく、当たり前に格闘技でみられる状態です)
アリ側は、そのようなルールに対する要求を公表することを禁じたため、この一戦は、「世紀の凡戦」と揶揄されてしまいました。
今日、ちらっと番組をみていた兄(全くプロレスに興味なし)に、
「これってガッカリな試合だったんだよね」
などと言われたりしましたが、そんな感想を持つプロレスファンでない人々に、これは大変な闘いだったんだ!
と少しは認識をあらためてもらえたかなぁ…と、放送は嬉しかったです。
当時で約24億円を注ぎ込んでやっと実現したという試合です。
信じられない金額。それをやろうとする、やってしまう猪木が凄いです。
この試合の裏話については、約10年前、猪木の側近で「昭和の仕掛人」、新間寿氏から直接お話を伺いました。
プロレスマニア仲間の集まりに、新間氏が来てくださったんです。
ルールについての話し合いは、相当厳しいもので、怖いもの、危険な匂いのするものだったらしいです…。
マニアとしては、わくわくするお話を伺えて幸せでした。
久々にみた若かリし時の猪木、格好良かったですね…。あと、有名な「ペリカン野郎」などのアリの発言の映像もみられて嬉しかったです。
しかし、ファンなあまりでしょうか、アリがしきりに「醜い」とか「ペリカン」とか罵倒した猪木のルックスなんですが、ハンサムだと思うんですけど…。
番組では、猪木のキックにより脚にダメージを受けたアリ(血栓症になった)が、タイトルマッチを延期するはめになったなどのエピソードが披露されたので、私はここぞとばかり、家族に、いかに猪木が凄いか! を語り倒しました(笑)。ちょっと大袈裟にファンタジーも交えてしまったかも…ですが。
子供の頃、
「なんでこんなもの好きなんだ?」
と、祖父以外の家族からよく馬鹿にされて、そのたびにムキになって反論していたのですが、今夜は久々に、家族に向かって猪木賛美の演説をしてしまいました…。
今日の放送は、プロレス嫌いの母をもちょっと感動させたようで、私も溜飲を下げました。
テレ朝、ありがとう!
↑これは数年前の感想。
この試合が放送される意義については、数年経った今も上記と同じような感想を持つ。
やったことが凄い。
前回の特番と違うのは、15ラウンドがノーカット放送されたこと。
あらためて観て、今の時代に観るからこその面白さがあったと思う。
新間さんから直接伺ったお話や、アリ、猪木のエピソード...私が聞いたり調べたりしたものとはちょっと違っていたりはするのですが
色々食い違う証言や解釈があり、40年経った今でもあーだこーだと語られることこそ、猪木の、プロレスの凄さだと思います。
この試合を「茶番」とするむきもあるけれど
アリが「本当に怖い試合だった」と告白し
「あれで(引き分けで)良かった」とお互い言ったのは決してリップサービスではないであろうことが、その後の猪木との友情でわかる。
アリは、不自由な身体でも猪木の引退試合には駆けつけてくれた。
「金だろ」なんて言う人もいるが、そんな方には
「お前はそれでいいや」と思う。そこに感動できないなら、いいや。
新間さんのお話が二転三転するのも
「新間は嘘つき!」
なんて思わない。
その時々で、ファンのために喜ぶ発言をしてくださった。
本当の、事実なんて、誰かにきいても面白くない。
いろんな断片を繋いで、想像したり妄想したり。プロレスファンとしての至福の思考の時間を新間さんは与えてくださったわけです。
ただ...そうは言っても、本当の、真実や背景を知りたいとの欲はある。
あとから考えてみると、当時の政界の黒幕、テレビ朝日の天皇だった方と我が家は親しくさせて頂いていたのに...
子どもだったから、ちゃんとお訊ねできなかったのが残念。長生きしていらしたら...真実をうかがえたかしら?
いやいや、当時の昭和の男たちは、色々墓場まで持っていったであろうと思います。
妄想するしかないし、こんなに年月を経て妄想できる試合をやった、猪木は凄い。
受けたアリも、凄い。
こんなに語りつがれる試合、今後あるかな...
あるとよいなぁ...。
※私は、プロレスラー、格闘家の方には尊敬を込めて、リングネームをそのまま呼ばせて頂いております。お許しください。