本日は、前田日明プロデュース、不良たちによるアマチュアの闘い「THE OUTSIDER」を観戦してきた。

いわゆる「アウトサイダー」となっている若者たちに、格闘技の世界への門戸を開いたこの大会は、今回で第15戦を迎えた。


最初は本当に、伝説の暴走族元総長たちが、たいした格闘技経験もなくリングに上がり闘ったりもしたが


大会も回数を重ね、負けて悔しい思いをした選手が、ジムに通い、練習を重ねてリングに上がるようになってきている。


皆、練習をするようになったとて、技術的には、他のアマチュア格闘技大会に比べれば、劣っているのだろうと思う。


私は、空手や柔道、総合格闘技などは好きで、
大道塾」みたさに仙台までひとりで行ったり(時代遅れのように言われてしまうが)アマレスやボクシングをみたり極真をみたり...格闘技…そういう競技が好きだが


もともとはプロレスが好きで、プロレスが好きだからこそ、格闘技も観ている。プロレスのように「魅せて」くれるものなら、アマチュアだろうとなんだろうとかまわない。


そんな目で、プロレスファンとして「THE OUTSIDER」を観ると…

面白くてたまらない!



乱入、乱闘、意地のはりあい、マイクパフォーマンス…


かつて、昭和のプロレス(新日本プロレス)で歓喜した要素が、ここにはつまっているからである。



今時のプロレスにおいては
乱闘も乱入も、
「茶番劇」として、客も冷めた目でみていると思う。

しかし、昭和の時代には、
乱闘も乱入も、恐ろしくて、ワクワクするものだったはずだ。


それは決して
総合格闘技のような闘いが現れる以前だったから...
ではない。



昔を懐かしんでばかりいるのはよくないとは思いつつ、あえて書くが


昔…
乱闘をするレスラー、乱入をするレスラーたちは、本当に百戦錬磨のケンカの猛者で、
皆、まさに、本当の
アウトサイダー」だったのが昭和のプロレスだ。


しかし今は…

レスラーが

「ぶっ殺すぞ!」
と言っても、あんまり説得力がないのだ。
レスラーたちが、身体能力の高さから、
プロレスに「就職」していることが、すけて見えてしまうから。
(とはいえ、鶴田のプロレスへの「就職」は、それはセンセーショナルでクールであった)

レスラーがやる気がないとか、強くない、というわけではないのだが…

なんといえばよいか…



昔は、「プロレスラー」以外には、自分の道はないような者たちがプロレスラーとなっていたのに対し、

今は、殺し合いのような、やるかやられるか…をかいくぐってきたレスラーは少ないから


プロレスファン(というか新日本プロレスファン、もっといえば猪木信者)が歓喜するような殺伐とした雰囲気は、今時のプロレスには出しようもないものだと思うのだ。



そんな印象をもっていた最近だが

この大会では、久々の恐怖や興奮を覚えたものだ!


観客席を陣取るのは、選手の仲間のヤンキーさんたち。

試合後、リングに乱入しようとしたり、客席で乱闘が始まったりする。(そこを止めにいったり目をひからせる村上和成や、エンセン井上をみるのもワクワクする! まさにバウンサー!)



リングへの乱入を止める前田

混乱した会場に向かい

「おまえら、恥ずかしくないのか!」

とマイクを掴む前田をみられたりする。


皆、本気だ。


私は、総合格闘技や昔の猪木的なものこそよい!…とは思わないが(全日本プロレス大好き!)

本気の闘いは、面白かった。

本気の闘い…というか

「リアルキャラクター」の良さだ。



いくら
「ぶっ殺す!」
といっても、普通の大人であろうことが垣間見ええる最近のプロレスラーよりも

「ヤバい!」
と恐ろしくなるような
元暴走族の闘いのほうが
単純に面白い。
彼らの言葉は、拙くとも本物だからだ。
(プロレスラーの言葉がみんながみんな本物ではない、というわけではありません)


かつての、昭和プロレス...猪木的なものにのめり込んだファンには

THE OUTSIDER

オススメだ。

本来、プロレスにみられるはずの
アウトサイダー」の姿が、そこにはあるから。