■
本日は、前田日明プロデュース、不良たちによるアマチュアの闘い「THE OUTSIDER」を観戦してきた。
いわゆる「アウトサイダー」となっている若者たちに、格闘技の世界への門戸を開いたこの大会は、今回で第15戦を迎えた。
最初は本当に、伝説の暴走族元総長たちが、たいした格闘技経験もなくリングに上がり闘ったりもしたが
大会も回数を重ね、負けて悔しい思いをした選手が、ジムに通い、練習を重ねてリングに上がるようになってきている。
皆、練習をするようになったとて、技術的には、他のアマチュア格闘技大会に比べれば、劣っているのだろうと思う。
私は、空手や柔道、総合格闘技などは好きで、
「大道塾」みたさに仙台までひとりで行ったり(時代遅れのように言われてしまうが)アマレスやボクシングをみたり極真をみたり...格闘技…そういう競技が好きだが
もともとはプロレスが好きで、プロレスが好きだからこそ、格闘技も観ている。プロレスのように「魅せて」くれるものなら、アマチュアだろうとなんだろうとかまわない。
そんな目で、プロレスファンとして「THE OUTSIDER」を観ると…
面白くてたまらない!
乱入、乱闘、意地のはりあい、マイクパフォーマンス…
かつて、昭和のプロレス(新日本プロレス)で歓喜した要素が、ここにはつまっているからである。
今時のプロレスにおいては
乱闘も乱入も、
「茶番劇」として、客も冷めた目でみていると思う。
しかし、昭和の時代には、
乱闘も乱入も、恐ろしくて、ワクワクするものだったはずだ。
それは決して
総合格闘技のような闘いが現れる以前だったから...
ではない。
昔を懐かしんでばかりいるのはよくないとは思いつつ、あえて書くが
昔…
乱闘をするレスラー、乱入をするレスラーたちは、本当に百戦錬磨のケンカの猛者で、
皆、まさに、本当の
「アウトサイダー」だったのが昭和のプロレスだ。
しかし今は…
レスラーが
「ぶっ殺すぞ!」
と言っても、あんまり説得力がないのだ。
レスラーたちが、身体能力の高さから、
プロレスに「就職」していることが、すけて見えてしまうから。
(とはいえ、鶴田のプロレスへの「就職」は、それはセンセーショナルでクールであった)
レスラーがやる気がないとか、強くない、というわけではないのだが…
なんといえばよいか…
昔は、「プロレスラー」以外には、自分の道はないような者たちがプロレスラーとなっていたのに対し、
今は、殺し合いのような、やるかやられるか…をかいくぐってきたレスラーは少ないから
プロレスファン(というか新日本プロレスファン、もっといえば猪木信者)が歓喜するような殺伐とした雰囲気は、今時のプロレスには出しようもないものだと思うのだ。
そんな印象をもっていた最近だが
この大会では、久々の恐怖や興奮を覚えたものだ!
観客席を陣取るのは、選手の仲間のヤンキーさんたち。
試合後、リングに乱入しようとしたり、客席で乱闘が始まったりする。(そこを止めにいったり目をひからせる村上和成や、エンセン井上をみるのもワクワクする! まさにバウンサー!)
リングへの乱入を止める前田
混乱した会場に向かい
「おまえら、恥ずかしくないのか!」
とマイクを掴む前田をみられたりする。
皆、本気だ。
私は、総合格闘技や昔の猪木的なものこそよい!…とは思わないが(全日本プロレス大好き!)
本気の闘いは、面白かった。
本気の闘い…というか
「リアルキャラクター」の良さだ。
いくら
「ぶっ殺す!」
といっても、普通の大人であろうことが垣間見ええる最近のプロレスラーよりも
「ヤバい!」
と恐ろしくなるような
元暴走族の闘いのほうが
単純に面白い。
彼らの言葉は、拙くとも本物だからだ。
(プロレスラーの言葉がみんながみんな本物ではない、というわけではありません)
かつての、昭和プロレス...猪木的なものにのめり込んだファンには
オススメだ。
本来、プロレスにみられるはずの
「アウトサイダー」の姿が、そこにはあるから。