今朝、五時半に父のところに行ってみると…


やはり、父はパッチリ目を開けて手を動かしていた。
ここ数日の様子を見て、どうやら夜明け前くらいから覚醒しているのではないかと思っていたら、案の定そうだった。


そして、すっかり明るくなってくると眠り始める…。
まったくの昼夜逆転というわけではないが、すごーく早起きのようだ。


朝六時前後のこの覚醒タイムに水分摂取できるときはラクなのだが

このタイミングを逃すと、起きているときを見計らって飲んでもらうのが難しい。


なるべく朝のうちに…
スタートから飛ばして
後半タレてもなんとか逃げ切りをはかりたい、といったところだ。


今日も、朝のうちに200g飲めたのでよかったが

午後は少し苦戦した。


目をしっかり、パッチリ開けて動いているから
「今だ!」
と水分を摂ってもらおうとするのだが


あっというまに寝る。


というか、どうやら寝たフリっぽい。
イヤだと目を瞑ってしまうのだ。


意思表示をしてくれるのは有難いのだけれど…


なんだかしてやられてるような…。


「あ〜、寝ちゃった。じゃあ、やめようね」

と飲んでもらうのをあきらめ、部屋から出ようとした瞬間


パチッと目を開ける父。
う〜ん、やられた!
とは思うが、あんまり無理させることもできない。


しかしだからといって、まだまだ口から飲める父には頑張ってもらいたいので、こちらも引き下がったままではいられない。


水がわりのOS-1ではあるが、それもさすがに厭きていると思うので、他のものにしてみたり。



「無理はさせたくない」
気持ちと

「あきらめたくない」
気持ちの間で
父が帰ってきてからの約四十日間、私は揺れていた。


これは私個人の考えだが

「無茶」
はまずいが


多少の「無理」は

父に頑張ってもらえないだろうかと思っている。

「無理」も「無茶」も、父のためを思えば、しなくて済むのが理想だと思う。


でも…

父には申し訳ないが
散々苦労をかけた母のためには

「無茶」はせずとも

頑張って「無理」はしてくれないだろうか…。



男が女のために「無茶」するのは、女にとっても困ることだが


女のために、男は…
「漢」なら、多少「無理」してくれないもんだろうか? と思ってしまう。
まぁ、今時はそんなことは世の男性に望めないだろうが
父は大正生まれの薩摩隼人なわけだし。


今、父は「無理」もして頑張ってくれているかと思う。
もう少し。もうちょっとだけ。
頑張ってもらいたい。


それが「無茶」になったときは、ちゃんと止めるようにはするから。